【社会福祉士国家試験まであと2日】社会福祉士の私が心に刻んできた言葉
おれが悪いのは、おれが一番わかっている。
おれの話を聞いてくれる人なんか、誰もいないよ。
50代、高齢の両親と3人で暮らす息子さんの言葉です。
この息子さんは当時仕事をせず、両親の年金で生活を送っていました。
毎日昼に起きて、すぐお酒を飲む。
料理や洗濯等、家事も高齢の両親が行っていました。
今の状況だけを切り抜くと、確かに怠けていると思われるでしょう。
でも、今の状況には必ずそうなるに至ったプロセスがあります。
息子さんの声をききました。
結婚して子どもも生まれ、一軒家を購入し、毎日忙しいながらも家族のために充実した日々を過ごしていたこと。
信頼していた奥さんに渡していたお金をすべて使われ、借金が返せなくなり自己破産し、一軒家を失ったこと。
それがきっかけで離婚したこと。
精神的にボロボロの状態で実家に帰ったが、近所から良くない噂を言われていること。
両親からも「家にばかりいて怠けている」と言われていたこと。
就職活動をするが、年齢を理由にまともに話を聞いてくれなかったこと。
すべてに絶望し、投げやりになり、お酒の量も増えていったこと。
今の状況になったのは、本当にこの方が怠けていただけなのでしょうか?
本当に、この方自身の自己責任なのでしょうか?
今に至るまでには必ずプロセスがあります。
社会福祉士、ソーシャルワーカーは今という結果だけをみるのではなく、そこに至った背景、プロセスを重視します。
生活のしづらさを抱え、自分が悪いんだと自己否定している方もいます。
そのようなクライエントに「今の状況」だけで判断してしまうと、「本人が怠けているんでしょ」と自己責任にしてしまうと、そこにあるのは本人の絶望しかありません。
クライエントは私たちの反応を戸の隙間から覗いています。
「こんな自分で大丈夫?」「こんなダメな自分が話しても大丈夫?」と。
社会福祉士、ソーシャルワーカーとして
あなたは何が出来ますか?
社会福祉士国家試験まであと2日です。
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