福祉のミカタ

介護、福祉職の味方になり、見方を広げます。

【気になることがあれば市町村や地域包括支援センターに連絡を】介護の現場で感じたこれって虐待じゃないの?3選


こんにちは みつです😊



令和3年度の介護報酬改定で高齢者虐待防止の推進についても改定がありました。

虐待の発生又はその再発を防止するために委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めることを義務づけました(3年間の経過措置あり)

参考:厚生労働省令和3年度介護報酬改定の主な事項についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf




つまり虐待を防止するため、職員に意識や資質をもっと向上してもらうよう働きかけていくということです。


誰がどうみてもわかるような虐待、例えば暴力、暴言や無視するなどは虐待者自身も自覚があると思います。
でも、虐待をしているという自覚がない場合もあります。


今回は私自身が介護の現場で「これって虐待なんじゃないの?」と疑問に思ったことを紹介します。



利用者さんを虐待しようなんて気持ちはなかったとしても、もしかしたら知らない間に傷つけていることもあるかもしれません。
普段の仕事をされている方、「どうだったかな」と少し振り返っていただければと思います。

ひざ掛けを頭にかぶせてかわいい


手足に拘縮があり、車いすに乗っている利用者さんがいました。その利用者さんが使っていたひざ掛けを頭巾のように頭にかぶせ、職員数人が「かわいいー」と言っていました。
職員は悪気がないように感じました。でも、私はその光景を見て、利用者さんをまるで人形のように扱っていると感じました。

ばかにされたように感じなかっただろうか。
嫌な気持ちになっていなかったのだろうか。
目上の人に対して普通は行わないのではないか。
この状況をご家族がみたらどんな気持ちになるだろうか。
利用者さんはどう感じていたのでしょうか。

「ちょっと待って」という言葉


正直、私自身も言ったことがあります。トイレに行きたいという利用者さんに「ちょっと待っててください」と伝えること。
いわゆるスピーチロックですね。
食事まだ食べちゃだめ、動かないで、座らないで等、怒り口調で接すること。
どうしても人手不足で忙しくなると、ついつい使っちゃう言葉だと思います。
言ってもどうせわからないだろう、同じことばかり聞いてきて、と思うこともあるかもしれません。
でも、どんなに忙しくても、プロとして、利用者さんの尊厳を傷つけてはいけないと思います。

決まった時間以外はオムツ交換をしない


トイレではなく、オムツで排泄される方もいます。私が働いている職場では基本決まった時間にオムツ交換をしていました(これもどうかと思いますが)。
利用者さんからオムツを取り換えてほしい訴えがあるにもかかわらず「時間になったら替えますよ」と言う職員がいました。
オムツを着けていない人からするとあまり想像できませんが、汚れたままだと不快感があります。
そして、替えてほしいと訴えているのに時間まで替えようとしない。
余計にオムツ交換の介助をしなければいけない負担もありますが、利用者さんの立場にならないといけないと感じました。


高齢者虐待について


高齢者虐待の定義は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)以下「法」と呼ぶ。によって定められています。
高齢者は65歳以上の人と定義されています。(法第2条第1項)

・双方の自覚は問わない
 虐待しているかもしれない、という自覚ではなく、客観的に高齢者の権利が侵害されていると確認できる場合に対応します。
(高齢者虐待防止の基本3.2留意事項その1)


・虐待かどうか最終的な判断をするのは市区町村
 客観的に虐待があるか判断するのは市区町村です。(法第9条第1項)


・高齢者虐待の種類は身体的、心理的、経済的、性的、放棄、放任があります。(法第2条第4項)


・これらの定義に当てはまらないとしても
「高齢者が他者から不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命・健康生活が損なわれるような状態におかれること」にある場合は、対応することが求められます。


・相談や通報して職場に何か言われるのが心配という方もいると思います。
通報を理由に事業所は不当に解雇など不利益になるようなことはしてはいけないと決まっています。(法第21条7項)


・気になることがあれば地域包括支援センターに連絡でもOK
役所に連絡するのは結構緊張しますよね。地域にある地域包括支援センターも相談を受け付けています。これって虐待?不適切な対応だなと感じたり、少しでも気になることがあれば気軽に連絡してください。




地域包括支援センターとは
虐待の相談も含め、介護保険の申請の仕方がわからない、地近所の一人暮らしのお年寄りが心配など、65歳以上の方のよろず相談的なところです。気軽に連絡してみてください。
参考:厚生労働省 地域包括支援センターの概要https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf




最後に

 
同じ職場で長く働いていると、その職場のやり方が当たり前になって、気づきづらくなることがあります。だからこそ振り返ることが大切ですね。
怖いのは虐待かもと疑問を持たず自覚がないことです。知らない間に利用者さんを傷つけている可能性があるからです。

この記事が、「この対応ってどうなんだろう?」と日々の仕事を振り返るきっかけになっていただければ幸いです。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村